取材が終わって原稿をまとめる段になって、どうしても昨年の「経済成長率」を入れたいとか、家計の「消費支出に占める食費の割合」を入れたいということがよくある。
で、机の上の電話を取ってお役所に電話をする。
経済成長率とか消費支出というのは、割合簡単に教えてくれるが、なかにはそのデータの照会先が不明で「それは○○課に聞いてください」、「いや、それは△△課でやっています」と電話が回り、あげくのはてに最初の○○課に戻ってきたりするケースがある。
だいたい、こうした電話の場合、ロクなことはなく、「わかりませんね」になったり、「お宅様はどちら」と聞かれて、「その雑誌を見せてくれませんか」などと言われたりする。
要するに、「出向いてこい」というわけである。
出向いていては原稿が間に合わない。
もっとも、それはこっちの事情に過ぎないのだが、こういう場合強引に粘るより手がない。
ちょっと横柄な口調で、こちらをジラしたあげく、「お宅様はどちら」などと聞かれたら、私は「そういうお宅様はどちら様ですか」と聞き返すことにしているが、これは結構効果があるようだ。
お役所への取材(問い合わせ)で、必要以上にへりくだった電話をしている若いwebライティング・代筆屋を時々見かけることがある。
特に小冊子などのマイナー媒体の取材の場合、「お宅はどちら様ですか」と聞かれて、クドクド媒体説明と取材の意図を説明している人がいる。
これは逆効果というものだ。
「お宅はどちら様」というのは、一応聞いているだけで、深い意味はない。
クドクド説明する必要はないのである。
相手が知っていようがいまいが、そのPR誌の媒体名を名乗ればよろしい。
「それ、どういう雑誌ですか」と聞かれたら説明すればいいだけの話だ。
だいたい、お役所は昔みたいに媒体の詮索はしない。
昔に較べれば、手軽に教えてくれるし、それがサービスだと考える殊勝な姿勢を示す傾向もある。
始末におえないのは、民営化して、駅名案内のアナウンスの合間に車掌の名前まで紹介しちゃう某鉄道会社の広報部。
受け応えの荒々しさとアホな形式主義にあきれかえったのは、私一人ではないようだ。
それはさておき、私はちょっと横柄だなという感じで、「お宅様は」と聞かれたら「モノ書きです」と答えることにしている。
これにはちょっと深謀遠慮なところがあって、ひょっとして口げんかになった場合の用心。
媒体名をだすと、クライアントに迷惑がかかるからだ。
